LD高校生ノビーのボーディングスクール留学

~LD(学習障碍)を持つ息子が、16才でアメリカのボーディングスクールに転校し、 パブリック・アイビーといわれる難関州立大学に合格するまで~

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はじめに

ボーディングスクールと聞くと、どんなイメージを持ちますか?
ハリーポッターにでてくるような、寮制のお坊ちゃん学校。あるいは富裕層の方々が、子供をハーバードやイェールをはじめとする名門大学に入れるために、中高生のうちから送り込むエリート養成校、プレップスクール・・・そんなイメージが強くないですか? 

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アメリカには、約350校ものボーディングスクールがあります。
「エリート養成校」はその中の一部にすぎません。それぞれに特色があり、少人数クラスで面倒見のよい学校がほとんどです。LDやADD/ADHDの生徒を積極的に受け入れ、特別なサポートシステムを備えている学校もたくさんあります。

我が家ののび太こと、ノビーは、保育園~高校1年まで日本の学校に通っていた、いわゆる純ジャパニーズです。小学校5年生の時にLD-学習障碍と診断されました。

そして、高校2年生の時にアメリカのボーディングスクールに転校し、そこで2年半過ごして、いわゆるパブリック・アイビーと称される、全米州立大学のランキングで50位以内に入る大学に合格しました。

ボーディングスクールに留学する」ということは、もちろんお金もかかりますし、誰にでもできることではありません。でも、高校受験や大学受験を控えて頭を抱えている、のび太くんやのび子さんのご両親たちに、「こんな道もあるんだよ」ということをお知らせしたくて、このブログを書くことにしました。

「発達障碍児の留学なんて無理でしょ」「日本語でもわからない授業を英語で受けるなんて」はじめは私も、そう思っていました。

でも、「言葉の問題さえクリアできれば、ボーディングスクールほど彼らの自立に最適な場所はない」というのが卒業してみての率直な感想です。

我が家のノビーが、いかにして留学するにいたったのか、何故ボーディングスクールが彼らの自立に最適なのか、日本での学校生活さえ困難な学習障碍児が、言葉も文化も違うアメリカの高校生活にどのように適応していったのか、大学受験はどうのりきったのか・・・・。

ボーディングスクールに入学するためのプロセスや、アメリカの大学を受験するためのプロセスも詳述しますので、のび太くん・のび子さんだけではなく、普通の中学生や高校生でアメリカ留学を考えている方々にも、参考になればと思います。

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ノビーとLDについて

ノビーが学習障碍の診断を受けたのは、今から10年程前の、10歳の時です。

今と違って、まだLDとか学習障碍という単語そのものが、世間にほとんど認知されていない時でした。「学習障碍の疑いがあるので、病院で検査を受けようと思う」と担任教師に告げても、「お母さんそれは違いますよ。彼は決して障害児などではありません」という言葉が返って来たくらいです。そのくらい、彼はどこからみても普通の子でした。ただ「読み書き計算が苦手」という事以外は。

それでも野比ママが診断を受けようと決心したのは、ノビーの勉強をみていて感じる「違和感」からでした。ノビーはおしゃべりで、知的好奇心や創造力のある子供でした。親の欲目を差し引いても、他の子供たちと比べて知能的に劣るとは思えないのに、漢字は全部覚えるまでつきっきりで特訓しても翌週には全部忘れてしまうし、百ます計算の引き算はいくら練習してもなかなかできません。「何か、どこかがおかしい」という違和感を覚え、たまたま百ます計算の蔭山先生のホームページを見て、学習障碍なるものの存在を知ったのです。

WISC検査の結果は、「非言語性学習障碍」(現在では言語性、非言語性の分類はしないようですが)というものでした。言語性IQが通常よりも高いのに比して、動作性IQが低く、その差が有意(30ポイント)であるというものでした。

学習障碍といっても、いわゆるディスレクシア(難読症)ではありません。特に視知覚認知が弱いため漢字が覚えられず、単純な計算問題はできるけれど、面積や体積のような図形問題、推論が必要な文章題になるとからっきし駄目というようなものです。

発達障碍の研究で知られる榊原洋一教授が、「発達障碍とは発達凸凹です」という言い方をされていて、その表現がまさにぴったりなのですが、LDをかかえた子供(というか大人もですが)の状態というのは、「この手のものはこんなにできるのに、何故こんな事ができないのだろうか?」という違和感を常に感じさせる状態、といえると思います。できることとできない事の間に、通常では考えられないギャップがあるのです。

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苦しかった中学時代~高校入試まで

LDの診断を受けてから高校留学をするまでの6年あまり、専任家庭教師として、野比ママがずっと勉強をみてきました。

担任が変わる度に面談をして、ノビーのLDの特性について話をしていましたが、区立中学校にはもっと問題のある生徒がいくらでもいる訳で、単に「勉強ができない」生徒に対し、当時の学校が特別にしてくれる事は何もありませんでした。

特に一番大変だったのは中学1年から高校入試までの3年間です。

中間テストや期末テストのたびにスケジュールを組み、2週間かけて試験勉強につきあいます。中学のテストなんて、普通なら5日もみっちりやれば十分でしょうが、何事も倍の時間が必要でした。

今思うと親も相当大変でしたが、それ以上にノビーは苦しかったはずです。もちろん塾にも通っていましたが、「計画を立てて効率よく試験範囲を終わらせる」というのはノビーのもっとも不得意とするところでした。非言語性学習障碍の特徴でもあるのですが、枝葉末節にこだわり、重要ポイントにピントをあわせる能力が低いのです。

そして漢字が書けないという事は国語のみならず、どの教科においても大きなネックとなっていきました。

理科でも社会でも結局暗記とは漢字で暗記することであり、漢字で書けないと丸はもらえません。そのようにつきっきりで、あらゆる試行錯誤をしながら2倍3倍の時間をかけて試験勉強をさせても、平均点を越えれば良い方で、オール3程度の成績しかとれません。特に苦手だった数学は2の時もありました。

そのような状態の中で、唯一光がさしていたのは、英語でした。

英語では、あたりまえですが何といっても漢字が不要です。特に聴覚認知がすぐれていたので、英語の文章を聞いたまま暗唱するのは得意だったのです。とはいっても、しょせんはLDですからスペルミスと文法ミスを多発して、学校の記述式のテストでは良い点がとれません。しかし小6から英検を受けさせると毎年確実に昇級し、中3で準2級に合格しました。マークシート問題だと書かなくてよいので点が取りやすく、得意のリスニングはいつも満点近かったのです。

1つでも得意な科目があるということが、彼の大きな支えとなり、高校受験を無事にのりきる事ができました。

LDの子供を育てている親なら誰もが強く願うことは、「なんとか無事に普通の高校に進学してほしい」という事ではないかと思います。

野比ママはノビーの高校受験に際し、2つの戦略をとりました。まず少しでも受験勉強の負荷を減らすために、3教科で受験できる高校に絞り、かつ得意な英語に傾斜配点がある高校を探しました。

結果、第1志望には合格できませんでしたが、偏差値55程度の、都内の中堅下位大学の付属高校に入学することになりました。一定の条件を満たせば、付属大学への推薦枠を確保しながら、他大学を一般受験することが可能です。「できれば何とか大学まで行ってほしい。大学付属の高校であればなんと安心だろうか」というのがその時の正直な親の気持ちでした。

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留学へと導いた1冊の本

野比ママが「ボーディングスクール」なるものの存在を知ったのは、ノビーが中3の時でした。
何気なく読んでみた、この1冊の本との出会いが、ノビーの運命を変えることになるとは、読んだ当時は思いませんでした。




私はこの本を読むまで、ボーディングスクールというものの存在すら知りませんでした。
同書によれば、ボーディングスクールとは、

「生徒の多くが寮で生活し、大半の教師も寮あるいはキャンパス内の住宅に住みこんで生徒と寝食を共にし、厳格な規律の下、スポーツ・文化・社会奉仕・リーダーシップ教育にかなりの重点を配分し、徹底した少人数クラスでの個別指導を行う、いかなる政府、自治体、宗教団体の束縛も受けない私立の4年または6年制の中等教育学校」

と記述されています。

「ふーん、そんなすばらしい学校がアメリカにはあるんだ」と思いながら読んでいくうちに、

「学習障害児(LD)のためのボーディングスクール」という章におよんで衝撃を受けました。

この章の中には、以下のような記述があります。

「日本人であってもあなたの子供が何らかの学習障害を持っている場合には、LDを専門とするボーディングスクール、あるいはLDプログラムを持っているボーディングスクールに行くのがよい。TABS(ボーディングスクール協会)が出しているディレクトリに乗っているだけでもLD専門の学校が約70校以上、LDプログラムをもっている学校は約90校存在する」

「アメリカではLDの子供を持つ親はまったく心配する必要はない。教育界が現在(1999年当時のこと)もっとも力を入れている分野がLDの治療的教育である。要はLDの子供は普通の子供とは勉強のスタイルが違うだけであり、そのための教育環境に入れてやれば十分に社会に適応していけるということである。日本ではアメリカのような取り組みはまったくなされていない。個性・独創性という宝の山を、偏差値という誤った物差しで問題児として切り捨てて葬り去っている。重大な社会損失ではないか。」

もともと、「スーパーエリート教育」という題名からしてノビーとは縁のない世界だと思いながら読みはじめた本だったのですが、それが一転してLD教育につながった事に衝撃を覚えました。

しかし、だからといって「ならばボーディングスクールに留学させよう!」と一足飛びに思いついた訳ではありません。

なんといっても多額の費用がかかりますし、これだけ親がかりのノビーを一人で海外に出すという事は、実際には非現実的な事のように当時は思えました。しかし、この「ボーディングスクール」というキーワードは、心の底に釘のようにひっかかっていたのだと思います。

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高1になったノビー

高校生になったノビーは、もう自分で自分の障碍を理解し、自分なりに工夫して授業を受け、わからない時は教えてくれる親切な友達をみつけて世話になる、ということが自然にできるようになっていました。

非言語性学習障碍の子供(や大人)に見られる困難として、よくソーシャルスキルの欠陥というのがあがりますが、ノビーの場合は幸いなことに、ソーシャルスキルについては人並み以上にすぐれたものをもっていました。もともと一人っ子で、企業戦士だった野比ママのせいで生後2か月足らずで保育園に入れられた事もあり、彼にとって友達ほど大切な存在はありませんでした。保育園、小学校、中学校と常に兄弟のように仲のよい親友に恵まれてきました。

いかなる集団に属しても、必ず気の合う友達をみつけ、それも自分の不得意分野を補ってくれるような、面倒見のよい友達と仲良くなります。もしかしたらそれは、もって生まれた才能というよりは、障碍をかかえてなんとか普通の学校でサバイバルしていくために、無意識に自然と身についたものだったのかも知れません。

しかし相変わらず期限までに課題をこなす計画性、スケジュール管理、宿題や持ち物を忘れない、という点においては親の助けが必要でした。中学の時ほどつきっきりではありませんが、ほっておけば課題は出せず、テスト勉強も混乱状態、忘れ物は茶飯事、という状態に陥ります。特に全国大会レベルの運動部に入部して、1日5時間 / 週7日の部活をやる中で、勉強との両立は困難を極めていました。

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